Chapter1 短時間で効率的に効果を上げる「ピラティス」とは
運動不足になりがちな現代社会で、加えてデスクワークが多いビジネスパーソンなら「肩こり」「腰痛」など、体の悩みはつきない。しかし、「時間がない」「運動が苦手」などの理由から、なかなか体を動かす時間をとれずにいる人は少なくない。そんな人におすすめなのが、西洋式ヨガともいわれる「ピラティス」だ。
「ピラティスは、もともとリハビリ用に開発され、怪我をした人や年を取った人でも体に余分な負担をかけずに、筋肉を鍛えられるようできた運動法です。一般的な運動が、表面の筋肉の強化を行なうのに対し、ピラティスは体の内側の筋肉"コアマッスル"を鍛えることで、体のゆがみを直し、中心に"芯(コア)"が通ったようなきれいな姿勢を保ちます。結果、肩こりや腰痛などの現代病と呼ばれる症状の緩和に大きな効果があるんですよ」
そう語るのは、今回の講師であるDMJボディバランシングの栗山法子先生だ。栗山先生自身、理学療法士として総合病院に勤務し、患者へのリハビリを担当した経験から、コアマッスルを鍛えてボディバランスを保つピラティスに関心を持ち、指導者資格を取得したという。
アメリカの高血圧症のジャーナル
ピラティスの効果
「コアマッスルを鍛えて体のゆがみを直すことによるメリットは、痛みの緩和だけではありません。たとえば、体を上手に支えられるようになって疲れにくくなったり、筋肉の比率が高まって代謝が上がることで太りにくくなったりするんです。地味な印象がありますが、特殊な器具や広い場所を必要とせず、短時間で効率的にトレーニングができるため、忙しい人にも最適です」
短時間の簡単な運動で、パリッと仕事ができる外見を手に入れつつ、疲れにくくてメタボ知らずのタフな体になれる。そう聞いては試さない手はないだろう。いったいどのようなものなのか。実際にトレーニングを行なってみよう。
Chapter2 ピラティスの一番のポイントとなる「呼吸法」をマスター
ピラティスで最も重要なポイントとなるのが、"横隔膜"を使った深い呼吸だ。胸と腹をすべて使った呼吸をとめることなく一定のテンポで行なっていく。それによって、心身をリラックスさせ、コアへの働きかけや身体の集中力が高められる。さらには、酸素を深部まで取り入れるため、代謝が活性化し、冷え症や太りやすい体質も改善するという。
アニメーション減量グラフィック
その際に意識すべきなのが「骨盤底筋群」という坐骨と恥骨を結ぶハンモックのような形をした筋肉だ。「骨盤底筋群」は呼吸法だけでなく、ピラティスの動きの起点ともなる重要な部分となる。
「日常は意識されにくいかもしれませんが、トイレをがまんして下からきゅっと締める感じ、きついジーパンを履くのに下からおなかをへこませていく感じ、といったら感覚がわかるでしょうか」
胸と腹を1つの空間と考えると、「腹斜筋」「多裂筋」「腹横筋」といった筋肉と肋骨で包まれている袋と見なすことができる。その袋の下部にあるのが「骨盤底筋群」であり、そこを意識することで袋全体を動かすことができるというわけだ。
では、実際に行なってみる。
この呼吸法は、ニュートラルな形だけでなく、「Cカーブ」という首から腰まで床に接地し骨盤を傾けてアルファベットのCを描くような形でも行なう。腰に負担が少ないため、腰痛持ちの人に向いているという。
Cカーブのつくり方
Cカーブは寝て行なうとわかりやすい。
減量ポンド対服のサイズ
- 仰向けに寝て、膝を曲げて肩幅に広げる。
- 腰骨と恥骨を線で結ぶ三角を想像する(写真のように手をおくとわかりやすい)。
- 2で作った三角形で自分側に向けるようなつもりで、骨盤を傾けながら腹筋を使って、床に骨をつけていく。
- 背中が床に密着する感じを確かめる。左のように背中にすきまができないようにする。
この状態で上記の横隔膜式呼吸をゆっくりと行なう。この感覚がわかってきたら、椅子に座って行なうこともできる。
以上のような呼吸法を使いながら、次のページでは「シャキっとした正しい姿勢」になるための方法をうかがう。
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