大腿骨頚部骨折/転子部骨折って何? (だいたいこつけいぶこっせつ/てんしぶこっせつ) |
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高齢者が、転倒して太ももの付け根を痛がり、歩けない場合は、まずこの大腿骨頚部骨折もしくは、転子部/転子下骨折を疑います。
高齢者の骨折のなかでは最も頻度の高いものであり、人口の高齢化とともに最近増えています。
若い人ではオートバイ事故、高い所よりの転落事故でも起こりますが、多くは、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)のある高齢者が転倒した際に発症します。
骨折の部位によって大腿骨頚部骨折と転子部/転子下骨折に分けられ、それぞれ治療法が異なります。
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大腿骨頚部骨折は股関節を包む関節包の中の骨折です。骨頭への血液の流れが悪くなるため、骨のつき具合が悪く、骨がつかない状態(偽関節)や骨頭が死んでしまう「大腿骨頭壊死」を起こすことがあるやっかいな骨折です。
これに対し転子部/転子下骨折は関節包の外側でおこる骨折です。骨折部の血液の流れが良く比較的骨の癒合は良好です。
大腿骨頚部骨折/転子部骨折/転子下骨折をおこした高齢者には、骨粗鬆症のある人が多い事はお話ししましたが、その他に心臓病や脳血管障害、糖尿病、パーキンソン病、認知症(老人性痴呆)などを治療している方も少なくありません。
これらの患者さんに対しベッド上の安静を強いると認知症が急に進んだり、筋力の低下が起きたり、食べ物を喉に詰まらせ(誤嚥)、肺炎を併発したりして、治療上大きな妨げとなります。
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このことから、今日では、骨折の部位や年齢を問わず術前の検査で麻酔、手術が可能であると判断されれば、受傷後出来るだけ早く(可能であれば受傷当日、あるいわ受傷後2〜3日以内に)手術をし、骨折部をしっかりと内固定して、疼痛を取り除き、手術後早めにベッド上に起こし、車椅子から歩行訓練へもって行くという考え方が主流になっています。
大腿骨頚部骨折及び大腿骨転子部/転子下骨折の治療目的は、早く痛みを取って早くベッドから離し、歩行訓練にもっていくことです。そのために、最近は良い手術機械が多く出ています。
手術方法は、骨折の部位、程度、年齢、合併症の有無、全身状態、活動性、家庭環境等さまざまな状況を考えて決定しますが、ここでは一般的な手術方法について述べます。
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大腿骨頚部骨折・・・・骨折部の転位のないものは、キャンセラススクリュー、ハンソンピンなどが選択されます。これに対し、高齢者で骨折部の転位の大きいものは、骨の癒合は望めないので、最初から人工骨頭挿入術が選択されます。
大腿骨転子部/転子下骨折・・・・コンプレッションヒップスクリュー、ガンマーネイル、エンダーピンなどの手術機械から適当なものを一つ選び、強固に骨折部を内固定します。比較的手術侵襲が少なく、固定性も良いので早くベッドから離れる事が可能です。
骨粗鬆症のある方に骨折が多発しています。骨粗鬆症の治療と予防が大切です。また家庭内での転倒予防も大切です。床のわずかな段差、電気コード、座布団などに足をひっかけて転倒することが多いので、室内はできるだけバリアフリーにしましょう。
骨折の部位別分類について
従来、関節包の内側の骨折を大腿骨頚部内側骨折、関節包の外側の骨折を大腿骨頚部外側骨折としていました。しかし、最近欧米の分類に従い、関節包の内側の骨折を大腿骨頚部骨折とし、関節包の外側の骨折を大腿骨転子部骨折/大腿骨転子下骨折と分類する様になりました。
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